「マチレポ」と「コンプレノ」で実現
地域課題を「自分ごと」化するデータサイエンス教育
- 任意エリア・特定日の人流を柔軟に分析できる点が決め手
ー 意思決定・導入までの経緯を教えてください
以前から人流データの有用性は認識していましたが、「特定のイベント開催日における、ピンポイントな時間の動き」といった詳細なデータの入手が困難でした。また、教育現場特有の課題として、学生が自由に利用できる環境を整える予算や仕組み作りが難しく、授業や研究へ柔軟に取り入れられないというジレンマがありました。
最大の決め手は、学生一人ひとりにアカウントを発行できる点と、直感的な操作性(UI)です。 これまでは教員の操作画面を学生が見るだけになりがちでしたが、導入後は学生自身がPCでログインし、手元のツールで自由に操作できるようになりました。 専門知識がない学生でも、「コンプレノ」では前日の人流をすぐに可視化することができ、スライダーを動かすだけで時系列の人の流れを視覚的に把握できたり、「マチレポ」では、任意のエリアの来訪者を自由に分析したりすることが可能です。失敗を恐れず何度でもトライアンドエラーができる環境は、私たちが求める教育現場のニーズに合致していました。
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データを見ることで、
思考が「ポジティブ」に切り替わる
ー 具体的にどのような場面で活用されていますか?
現在は、個々のアカウント環境を活かし、ゼミ(研究室)と学部授業の両輪で活用しています。
研究活用: 地域の「石巻川開きまつり」の来訪者分析や、「カムチャツカ沖地震」発生時の避難行動分析など、観光から防災まで多岐にわたるテーマで活用しています。
授業活用: 初年次の授業から導入しています。数字の羅列ではなく地図上の「動き」として捉えることで、学生から「ここはどうなっているの?」「もっとこうすべきでは?」というアイデアが自然と湧き出るようになりました。リアルな社会課題に自分ごととして挑戦する姿が印象的でした。
地域連携: 市内の中学校での防災教育にも展開しています。実際の避難行動を「コンプレノ」で可視化した動画を用いて、課題分析や防災マップ作りに役立てています。
- 「人流」から広がる多角的な視点と、主体性の獲得
ー 導入効果と今後の展望について教えてください
今後は、学生の研究テーマとして関心の高い「防災」分野での活用をさらに深めていきたいと考えています。 具体的には、津波の浸水想定区域と実際の人流データを重ね合わせ、避難時の行動特徴を定量・定性の両面から分析する研究を進めています。「なんとなくの危機感」ではなく、データに基づいた具体的な避難モデルをここ石巻で構築することが目標です。
南海トラフ地震などのリスクを抱える地域は全国にあります。石巻専修大学発の「人流データを活用した防災モデル」を確立し、それを全国へ展開していくことで、社会に貢献していきたいと考えています。
お客さまプロフィール
法人名
石巻専修大学
本店所在地
宮城県石巻市南境新水戸1
学部学科






